当ブログは自分が興味があるものに対して記事にしているので、トップページからご覧になってくださる方からすると「寄せ鍋」やら「闇鍋」みたいなブログになっていると思うんですが、その中でも1番アクセスが多いのが「清朝」カテゴリーのブログです。
最近見たいドラマもなくてちっとも更新していなかったのですが、ブログカテゴリにふさわしい1冊の本をちょっとした連載形式で取り上げたいと思います。
その本とは…いつも北京に行くとたくさんの紙の本を買って帰るのですが、2019年最後に故宮に行ったときにもうスーツケースにもリュックサックにも入らず、泣く泣く諦めた本である「宮女談往録」(宫女谈往录)です。
実ははじめ送料が高いのでケチってヤフオクでこの本を買ったら、なんと簡体字版で仕方なくいくつかの本とともに台湾のEC、博客来経由で買い直しました。
↓博客来で買った他の2冊。
簡体字は読み慣れなくてちょっと辛いの><
↑これが繁体字版。A5サイズほど小さい。表紙は李蓮英を先頭に練り歩く慈禧太后のお姿
↓巻頭に約10ページの豪華清朝皇室グラビアw
宮女談往録を読もうと思ったきっかけ
この本は1940年ごろ、作者、金易が北京大学の文学部学生だった頃に住んでいた景山山東街の胡同に住んでいた近所の元宮女の口述を本にしたものです。
この元宮女は満州族赫舍里氏(ヘシャリ氏)出身で、慈禧太后に八年も仕えた何荣儿という人。
彼女の簡単な経歴を書くと、彼女は13歳で慈禧太后に仕え、たばこ担当でした。
18歳で慈禧太后から結婚を賜り、相手は李蓮英の養子である劉という名前の宦官で、北池子に家を構えて住んだものの、結婚後夫がアヘン中毒で死んだので(特例で)1年も経たずに宮廷に戻り西太后に再度仕えました。
宮女引退後、満州事変(九一八)の後、日本軍が北京に攻め入ってきたため、家を出ざるを得ず紫禁城の東側后門付近に引っ越して賃貸の家に住み始めました。
そして盧溝橋事件(七七事変)の後、真夜中に泥棒に入られて命より大切な宝物(宮中で慈禧太后に賜った宝物など)を盗まれ、(お金がなくなったので)使用人として働かなければならなくなった結構な苦労人です。
晩年の慈禧太后に仕えたということは、光緒帝や珍妃など清朝末期のいわゆる「浅田文学」の主人公達の話や、宮女の暮らし、清朝の風俗や文化など色々面白そうと思ったことがきっかけです。
特に珍妃の井戸事件は浅田次郎氏が「珍妃の井戸」というフィクション小説を書くほど、かなり証言が割れる、今も謎を呼ぶ事件です。
宦官の談話などはいくつか読んだことがありますが、宮女はほとんど見たことがないので有り難く読んでみようと思います。
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