はじめ行こうかどうか大いに悩んでおりました。
ザハロワは来るのか?コロナで公演自体なくなったらどうしよう…など、懸念が多かったので、ザハロワ来日後にチケットを確保して行きました。
今回のイベンターはTBS、ガラの監督はパトリック・ド・バナ。
さかんに地上波でCMを流していました。
そしてちょっとびっくりしたのがカーテンコールの方法。
NBSやジャパンアーツで見慣れたガラのレベランス方式が異なりました。
演目終わりにレベランスの後、自らはけて幕引き。
これはかなり珍しかったです。
総評としては、コンテンポラリーが多く、観る前はああ、つまらなかったらどうしようと思っていましたが、マリアネラ&ワディム組がきっちりクラシックを魅せてくれたし、ベテラン組も一流どころばかりでさすがに楽しめました。
欲を言えば現役プリンシパルのオシポワやマチューにもクラシックを一つ入れてほしかった。
そしてザハロワについては、ボリショイ来日公演でこれが生で観るの最後かなと思ったけど、コロナでなくなっちゃったので、今回が最後かな…(´;ω;`)ブワッ
できればロパートキナの時のように全幕ものでお別れしたかったな。
では、飛ばし飛ばしですが、一言レビュー行ってみます。
「海賊」
マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ
マリアネラのヴァリエーションはザハロワがよく踊っていた花園のバリエーション。2人とも強いテクニック。
「インポッシブル・ヒューマン」<日本初演>
エドワード・ワトソン
脚の動きが美しかった。まだまだ現役。熱狂的なファンからブラボーが飛んでた。(数列前にいた男性ですw)
「病める薔薇」
振付:ローラン・プティ 音楽:グスタフ・マーラー
エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ
この手の演目のアバニャートは好きだが、半裸のマチューが美しすぎた。
「Russkaya Solo」
振付:カシヤン・ゴレイゾフスキー 音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー
ダリア・パブレンコ
パブレンコが実は初めて見ました。美しいけどこの演目には少々官能的でケレン味多め。
「Wind and Clouds」 <世界初演>
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:エツィオ・ボッソ
エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ
マルティンがことのほか素敵だった。
フラメンコが基礎にある下半身が低く地面から繰り出すような動きが良かった。
「Ashes」
振付:ジェイソン・キッテルバーガー 音楽:ゴラン・グレゴヴィッチ
ナタリア・オシポワ
記憶にないなこれは…😭
「Árbakkinn」<日本初演>
振付:シモーネ・ヴァラストロ 音楽:オーラヴル・アルナルズ
エレオノラ・アバニャート、マニュエル・ルグリ
アバニャート、エトワールガラ以来ですが、まだまだ健在。コンテやネオクラシック系がとても良いダンサーで、ルグリとのパートナーシップもばっちり。
「ジュエルズ」より ダイヤモンド
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー
スヴェトラーナ・ザハロワ、ダニーラ・コルスンツェフ
ザハロワ美しかった。
SNSでロシアの政情を勝手にザハロワに投影している人が多くいたけど、いつも通り美しい踊りでした。キラキラ感は少し減ってたし、相変わらず細すぎるけどきれいすぎる。
「メディア」
振付:ホセ・グラネーロ 音楽:マノロ・サンルーカル
エレナ・マルティン
「シェヘラザード」
振付:ミハイル・フォーキン 音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
ダリア・パブレンコ、ダニーラ・コルスンツェフ
「ルースカヤ」には胸やけ気味だったけど、打って変わって良かった。ダニーラは2015年に最後に見た時からだいぶおじさんになったけど、品がある黄金の奴隷。
「Somebody Who Loves Me」 <世界初演>
振付:アーサー・ピタ 音楽:ジョージ・メリル、シャノン・ルビカン
ナタリア・オシポワ、エドワード・ワトソン
歌ありの曲で蛍光色の模様が入った短パンで踊る楽しい演目。2人の身体能力の高さが際立つ。
「ランデヴー」
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョゼフ・コスマ
エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ
「Digital Love」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
スヴェトラーナ・ザハロワ、パトリック・ド・バナ
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ
「The Picture of…」 <新バージョン>
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:ヘンリー・パーセル
マニュエル・ ルグリ
「ドンキ」で大盛り上がりした後で、コンテが来る訳です。
マリアネラ&ワディムはバランスや回転、安定した技巧でしっかり魅せてくれたあとに、The Picture of…はなかなか勇気がいる構成だったのでは。
長年のルグリが日本で培ってきたものがありますのでね、そこは心配なく舞台からアデューということで、かなりダンディで渋くなり貫禄も出ている彼が、あいも変わらぬ足さばきで最後の舞台を務めてくれました。