日帰り遠征です。
余裕を持って行ったつもりがかなりギリギリになってしまい焦りました…。
ロミオは礼真琴、ジュリエットは舞空瞳。
2人とも自らの思いを遂げる純粋さがよく表れていた。
西洋の舞台は生死を可視化した存在として登場させる作品が多く、エリザベート然り、これもまた同じ。
若く溌剌とした礼真琴が眩いスポットライトと共に登場し、ロミオは生を象徴する存在なのだと印象づけられる。
彼は平和主義者で、いがみ合うモンタギュー、キャピュレット両家を、もしかしたら変えられると未来に希望を持つ。
ジュリエットも、「自分の好きな人と結婚したい。」家の事情で決めたパリスとの結婚はどうしてもできない。
ロミオと同じ、旧社会に抗おうとしている。
両家を変えるための希望であるはずの2人に、少しずつ愛月ひかる演じる死が近づく。
長身で長い手足がぐっと伸びてまるで死に導くかのように少しづつ運命が変わっていく。
そして、彼らの初恋は、マキューシオとティボルトの諍いと死によって運命が急加速する。
ロミオはヴェローナから追放になり、ジュリエットはパリスと結婚させられることになる。
その前に一目会いたいと英真なおき演じるロレンス神父と策略を練り、使いをやるが、ロミオはその手紙を読むことなく仮死状態のジュリエットと対面。
本当に死んだと思ったロミオが毒を飲んで自殺、遅れて目を覚ましたジュリエットは、すれ違いを悟り悲嘆に暮れ、ナイフを突き立てて自殺する。
折り重なるように亡くなっているのを見た両家は争いをやめることを決意する。
トップコンビの溌剌さと生のイメージとは反対に、愛ちゃん、愛月さんの死が圧倒的存在感を放っていました。
長い手足を存分に生かしてロミオに手を伸ばして引き込み近づく様子は、ああもう逃れられない運命なんだ、悲劇にどんどん引き込まれていくしかないのだと、手に取る様にわかりました。
また今回はロミオとマキューシオ、ベンボーリオの友情と仲間意識が自然と浮き彫りとなっていたように思います。
せおっちのティボルトは目の使い方が粗暴でイカれた性格をよく表していました。
あと東京で2回見ますが、やはりロミオの作業着のような衣装とジュリエットの初めのワンピースは好きではありません。
ディカプリオのロミジュリのように現代へと時代を変更したならともかく、なぜセットや周りが16世紀なのに一部だけ変えてしまったのか不思議でたまりません。