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2025年東京バレエ団「眠れる森の美女」

斎藤友佳理版「眠れる森の美女」を観に行きました。

ゴールデンウィーク中でロビーでも「上野の森バレエホリディ」も開催されており、バレエ関係のイベントや出店で賑わっていましたね。

今回、マリインスキー劇場バレエ団のファーストソリストである永久メイと元東京バレエ団プリンシパルの秋元康臣をゲストとして迎え、2023年初演以来の再演となります。

キャストは永久&宮川、沖&秋元、秋山&大塚、金子&柄本の4組が主演で、私は金子&柄本以外の3キャストを見ました。

永久メイさんはマリインスキー劇場バレエ団の来日公演以来。当時まるで天使のような雰囲気でこれからの活躍を期待していたので、久しぶりの日本での舞台、楽しみで仕方ありませんでした。

初日は大入り。皆が固唾を飲む中、メイさんは天女のごとくしなやかに登場。マリインスキーでの舞台経験を積んでしっかりと主役のオーラを醸しながら、洗練された足さばきとポールドブラに客席はため息。

姫は極めて美しくあれ、王子は優雅で精緻であれ。マリインスキー・スタイルについて私が勝手に思ったことです。あまりにも久しぶりすぎて、こんなにも美しいものかと感嘆しました。

コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻がありながらもロシアに戻ったメイさん。並々ならぬ覚悟を持って、人生を賭けてロシアで踊ることを選んだのでしょう。たおやかなオーロラ姫の中にも強い信念を感じさせ、美しいロシア人の中でファーストソリストとして主役を任されてきた自信も感じられました。

全幕を見て思ったのですが…彼女はオーロラ姫がハマり役と言えるのではないでしょうか。非常に素晴らしかったです。

ところで斎藤版の四人の王子は皆ニッコニコで可愛らしいですよね。スカした王子というより推しアイドルか?と言うもので、ローズアダージオのリフトで後ろ二人が慌ててごっつんこするなど本当に可愛らしく、ほのぼのとした雰囲気がありました。

話は戻って”死ぬほど緊張した”(byファンミ)らしい宮川さんの王子は、ノーブルで落ち着きや安心感が抜群。一つ一つのテクニックが端正で美しく、プリエの柔軟さが顕著。メイさんとは初めて組んだとは思えないほどのパートナーリングでした。サポートが大変素晴らしいです。

そして出色の出来栄えだったのが、榊優美枝さんのリラの精。

プロローグ、妖精たちの踊りのコーダで音楽を目一杯使ってトゥで美しく立つ連続のアラベスクは余裕があり優雅。テクニカルではなく基礎の美しさが試される。足の運び方、ポーズ各々が美しくなければ単調でつまらなくなりがちだが、見事に見せ場に昇華させた。

また別日で見た公爵夫人もデジレ王子への好意や思い通りにならないもどかしさと女心をはっきりと浮き彫りにし、役に生命を吹き入れた。

沖香菜子さんのオーロラは美人系。長身に手足が長く大きな瞳をくるくると、ベテランでありながらティーネイジャーの輝くような美しさ。ローズアダージオの安定感は抜群で盤石なアチチュードバランスは、ここ最近見たオーロラの中でもダントツで素晴らしかった。これぞプリンシパルの踊り。

この美しい姫に対してのデジレ王子は、王子というより姫を救う騎士のよう。秋元さんはヘタレ王子ではなくきちんと格好良い王子になる不思議。ノーブルながらも男らしさも感じさせる王子像で頼もしい。そして最後の結婚式のパドドゥまでこのペアは完成度が高かった。この見目麗しい主演コンビのリラの精は政本さんで、長身で優雅でおおらかで品がよく、非常に雰囲気が良かった。

さて…ここからは本命の秋山瑛さんなので少々オタクっぽい文章になりますので、予めごめんなさいしておきます。

秋山さんのオーロラ姫がもう期待通りの可愛すぎてごめんなさいレベルで、ずっとオペラグラスが下ろせませんでした。お顔が少女漫画の主人公のように可愛いくて…なんだかベルバラの少女時代のアントワネットみたいでちょっと感動。

おまけにあんなにじっと四人の王子を見つめながらのローズアダージオは実にいけない。あの嫌味もなく堂々としたところがやはり生まれながらの姫を感じさせました。もし自分が王子だったら、固まって踊れませんね…。

こちらもローズアダージオが完璧で、東京バレエ団はローズアダージオが完璧でないダンサーはいないのでは?と思わせるほどの出来栄え。

大塚さんの王子は溌剌としてフレッシュな雰囲気たっぷり。手足も長く顔も精悍で秋山さんとの並びもかなり良い。こちらのコンビは「ロミオとジュリエット」もドラマティックで非常に良かったのです。

青い鳥とフロリナについては、中島&生方、足立&二山の二組。

中島映理子さんはケガ明けの復帰。明るく大らかで伸びやかな手足が綺麗。Va.のホップスオンポワントでポワントがガクッと崩れたので、足元が少し心配になりました。

生方さんはのびのびとした羽ばたきと大きな踊り。近くに座っていた木村和夫さんも大きな拍手を送っていらっしゃいました。次のアルブレヒトも楽しみですね。

二山治雄さんが東京バレエ団に移籍のニュース。そして早速「眠り」への出演と聞いていち早くチケットを追加しました。全幕バレエがやりたいという意向があっての移籍だったとのことです。今回は集団の中で自分をどう出していこうかまだまだ控えめな雰囲気でしたが、手の動きの柔らかさや足元の美しさに目を見張りました。二山さんを足立真理亜さんがグイグイ引っ張っていくようで大変頼もしかったです。

今度のジゼルも相手が生方さんで面白そうですよね。

残念だったことといえば、池本さんのブルーバードと伝田さんのカラボスが見れなかったこと。体力と時間そしてお財布には限界があり、できるだけこの目で見るぞ!という気概、バランスをとりながら観劇を楽しみたいと思います。

  • この記事を書いた人

皐月

本業はWeb関連会社の代表。 学生時代からの目標である満員電車に乗らないで生活することを叶え、デザイン・Web業界でのサラリーマン生活の後、起業。 幼少期から大学受験まで習っていたバレエ・宝塚など毎年観劇多数。 中国清朝時代とその時代のドラマ愛好家。 美容愛好家(薬機法管理者・コスメ薬機法管理者・化粧品成分検定1級)

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