読書レビュー

因習に縛られた家族と「変な家」

ankoromochi

私は間取り図がすごく好きで、事故物件を扱った松原タニシ氏著書の「怖い間取り」も大好物です。

そんなこんなで「間取り系」の本がおすすめに出てきたうちの1冊がこちら。

「変な家」雨穴

雨穴氏のyoutube映像作品を単行本化したものである。

はじめに間取り図どーん、この間取りは異常。これには信じたくない事実があるというプロローグで始まるが、これが最初から妙な気持ち悪さと何か事件が起きた物件なのだという変な期待も入り混じった感情を抱かせる。

そしてこの“異常な家“を家族で買おうと思っている”私”(筆者)知人、柳岡さんがその家の間取りが一部奇妙で購入をためらっていると話す。

その後、知人の建築士(栗原さん)に相談すると、この家が実は子供の存在を隠すかのような問題のある間取りだと指摘する。

そして栗原さんが間取り図からと殺人を目的とした家なのでは?という驚くべき推理を繰り広げる。筆者がさらに調べてみるとその家の近辺で“左手のない遺体“が発見されており、“異常な家“の住人もたった1年で手放している奇妙な事情も浮かんできた。

その推理と間取りをネットで話題にしたところ、“左手のない遺体“の妻と称する女性が問い合わせてきたのだ。

栗原さんや彼女とともに謎を解明しながら、最終的に因習に縛られた悲しき一族にたどり着くのである。

因習、一族といえば金田一耕助を思い浮かぶ方も多いでしょう。
私も漏れなくそのタイプでこの作品はしっかり刺さりました。おまけに会話形式の文章で一気に2時間くらいで読めます。

しかし家は人間にとって重要ですよね。

家に少しの傾きでもあれば体調や精神状態を蝕み、間取りが原因で家族関係に問題が生じたり、それこそ家を建てる前に地鎮祭を行ったりと意外と見えないものに司られているんだなと感じます。

「変な家」はまさに私たちの恐怖心を絶妙に突いてきます。

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乙果玲未(おとか れみ)
乙果玲未(おとか れみ)
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ライフログ&興味のあるテーマや作品の背景や歴史を探訪中心。80年代の中国にバレエ公演に行き、故宮を見てから清朝の歴史&文化にどハマり。守備範囲は清朝ドラマ&歴史、宝塚歌劇団、クラシックバレエ、オーケストラ、中国茶、K-POP、化粧品など。 顔出しNGなので自分の画像を使ったAIアバターをプロフィールにしています。 都内在住、会社代表。 仕事はデザイン&ディレクション&ライティングなど主にコンテンツ制作にたずさわっています。 ・HSK5級合格 ・化粧品成分検定2級。
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