「とうとうとべに」まずタイトルの字面の美しさに惚れ惚れしませんか。 吉原遊郭の暗闇から赤い照明がぼんやりと見えるようなイメージが真っ先に浮かんできました。 しかし「滔々と」は表現力の乏しい私にとって、聞き馴染みがないため意味を調べてみましたが、滔々と(とうとうと)とは、水や話などがとめどなく流れる様を表すそうです。そして紅はやはり遊女を連想させます。襦袢、口紅、血の色…。「滔々と紅」はつまり「遊郭の花魁の人生を連綿と綴ったもの」であり、吉原遊郭の末端まで生き生きと感じられる漫画になっています。 貧しい小作 ...